
クラシックな洋風のインテリアが華やかなOさま邸。その一角には、素材からしつらえまですべてにこだわり抜いた本格的な茶室がつくられています。以前はマシンが並んだトレーニングルームでしたが、あまり使う機会がなかったため「茶道を20年以上続けている妻のために、茶室につくり変えてあげたい」との夫の思いでリフォームを決断。「つくるからには『茶室もどき』ではなく、本格的なものにしたい」と、間取りはもちろん、炉では炭も使えるようにするなど「本物」にこだわって、お茶会もできる本格茶室をつくりあげました。「素晴らしい仕上がりにただ驚きました。お客さまをお招きするのが楽しみです。」
- 家族構成
- 夫婦
- 築年数
- 20年
- 間取り
- [ Before ] その他 → [ After ] その他
- リフォーム面積
- 25.60平米
- 工期
- 2ヶ月
Before

After

炉、床の間、天井まで、茶室の代表的な意匠を採り入れて、洋室を本物の茶室に
勾配天井のある約8畳の洋室の中に本格的な茶室を収めました。露地や蹲、腰掛待合、水屋、次の間まで備えた間取りは、伝統的な茶室そのもの。さらに、水屋では水を使えるように、炉では電気や炭を使えるように配管や設備にも配慮。建材や素材にもこだわりを徹底し、上質の茶室に一変させました。
8畳の空間を細かく区切り、4畳半の茶室の周囲に露地や水屋も配置
全館をクラシックな洋風のインテリアでまとめたOさま邸。しかし3階奥の格子扉を開けると雰囲気が一変。飛び石を並べた露地は、天井と襖紙を京都の老舗の唐紙で仕上げ、あとは石と無垢材の自然素材だけでつくりあげました。本物の存在感漂う露地が茶室という非日常的空間へと客人をいざないます。
和室
茶室の天井は、素材と高さにこだわり主人側を低く竿縁天井、客人側を高く網代天井で仕上げました。室内の木材はすべて無垢材を使い、襖紙は京都の老舗唐紙店まで足を運んで選んだものを使用。炉は電気だけでなく炭も使えるようにし、洋館の中にあるとは思えない本格的な茶室になりました。
お茶の道具などを置いておく水屋を、茶室から見えない位置へ。壁の外に配管を抜くことで、水屋流しと呼ばれる水道を使えるようにしました。水屋棚は「上通り棚」「中通り棚」「下通り棚」の三段と、長さが半分の「茶碗棚」も造り付け。襖の内側には梅の引手を選び、照明も京都で選んだものを使用しました。
勾配天井だった空間を、茶室の控えの間ともいうべき「次の間」として利用。もともとあった窓に内障子を建て、自然光を取り入れました。奥からは水屋につながっています。
蹲(つくばい)
前には心身を清めるための蹲(つくばい)を用意。筧から実際に水を流し、手を洗えるようにしました。前石と手燭石、添石や湯桶石も順番に並べて、本格的な蹲に。Oさまのご両親の別荘にあった石を使うことで、家族の思い出を活かすことができました。
担当者のコメント・アドバイス
仕事に、趣味に、何事にも常に本格的に取り組むOさま。その時々の暮らしに合わせて新築以来3度も住まいをリフォームして来られました。4度目の今回は「茶道をたしなむ妻のために茶室をつくってあげたい。つくるからには、本格的なものに」と希望されました。そこで、茶室を多数手がけている数寄屋建築の名匠にアドバイスをいただきながら、露地や水屋、腰掛待合まで備えた本格的な茶室を提案。想像以上の仕上がりに「お客さまをお招きするのが楽しみです」と奥様にも喜んでいただけました。
※実例に掲載されている内容は、ヒアリング時の情報です
お役立ち情報
INFORMATION
お施主様のコメント
今まで何度も村木さんにお願いして、いつも満足のいくリフォームをしていただいていました。今回は茶室へのリフォームでしたが、村木さんだから安心してお願いすることができました。厳しい条件の中でも誠実に対応していただき、完成度は予想以上です。京都の老舗に一緒に行ったことも楽しい思い出になりました。